糖尿病は血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなる病気です。膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしています。しかし、このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまうのです。血糖が高いということは、体の細胞にエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されず、そのため全身の細胞の働きが悪くなります。のどが渇く、尿が多い、傷が治りにくい、感染症にかかりやすい、疲れやすい、集中できないなどの症状が表れます。また、高血糖状態が長期間持続すると、手足に神経障害を起こしたり、網膜の毛細血管が傷むことで失明したり、腎臓の毛細血管が傷むことで腎臓の機能が低下することがあります。
高度に腎機能が低下して、体内の老廃物を尿としてまったく排泄できない腎不全にまで悪化した場合、血液透析を受けなければなりません。
※糖尿病は大きく分けて2種類あります。
1型糖尿病はすい臓がインスリンをほとんど、もしくはまったく作ることができないことが原因で発症します。1型糖尿病は頻度が低く、糖尿病の患者さんのうち10人に1人もいません。
一方、2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプになります。2型糖尿病は40歳以上の人、太りすぎの人、著しい運動不足の人、家族に糖尿病の患者がいる人に発症しやすいことが分かっています。上記内容にあてはまり、ご家族に糖尿病がおられる方(父母、兄弟姉妹、子ども)は、速やかに検査を受けることをお勧めします。