肛門付近の組織に負担がかかり、血流が悪くなることでうっ血し、静脈がこぶ状に拡張したものが痔核です。発生する場所により、内痔核と外痔核に分けられます。
内痔核
肛門の内側(歯状線の内側)にできるのが内痔核です。内痔核で最も多い自覚症状は排便時の出血です。内痔核は初期の場合は痛みを伴うことはありませんが、進行して痔核が大きくなり、肛門管外へ脱出して戻らなくなると(嵌頓痔核)、強い痛みを伴うことがあります。
外痔核
肛門の外側(歯状線の外側)にできるのが外痔核です。外痔核で多い自覚症状は肛門痛です。特に外痔核内で出血して、急激に腫脹してきた場合(血栓性外痔核)は、非常に痛みが強く椅子に座ることも難しくなることがあります。
痔核の治療について
内痔核も血栓性外痔核も軽度の場合は、軟膏や座薬などの薬物療法で保存的に治療を行い、排便の方法や生活習慣などのアドバイスを行います。
内痔核からの出血や脱出症状が強く、保存的治療で効果が不十分な場合、当院では局所麻酔下での※痔核硬化療法(ALTA注射、4段階注射法)を行います。
さらに痔核が進行して、局所麻酔下での治療が難しい場合(全周性の脱出性内外痔核など)は近隣専門病院へ紹介させて頂きます。
※痔核硬化療法(ALTA注射、4段階注射法)
「ジオン注」を内痔核に直接注入することによって、痔核を形成する静脈瘤に炎症を起こし、器質化させることで痔核を縮小する治療法です。
痔の予防
- 便秘・下痢の予防
食物繊維を取りましょう
便意がある時に我慢をせずトイレに行きましょう
トイレは長くても3分以内にし、長時間座るのはやめましょう
- 規則正しい生活
きちんと睡眠をとりましょう
シャワーではなく、入浴することを心がけましょう
座りっぱなし、立ちっぱなしをなくしましょう
- 暴飲暴食をしない
1日3食バランスの良い食事をとりましょう
特にアルコール・香辛料の取り過ぎに注意しましょう
- おしりを清潔に保つ